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「のぼうの城」レビュー:これぞ名将...!鳥肌が立つ感動の歴史小説

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のぼうの城 読書レビュー

幼少期より読書好きの私が、知人に勧められ読んだ「のぼうの城」。

他とはまた違った武将、成田長親ながちかが主人公の物語。

いわゆる”豪傑な戦国武将”とはひとあじ違った魅力で民を惹きつける主人公に、読み手も引き込まれます。




『のぼうの城』の特徴

この本の特徴

  1. 戦国末期のリアルな描写:
    本作は戦国時代の末期にあたる動乱期が舞台。
    激動する時代の情勢がリアルに描かれていて、戦国時代の雰囲気にどんどん引き込まれます。

  2. 登場人物の多様性と複雑な心理描写:
    本作の大きな魅力の一つは、ずばり登場人物の多様性と複雑な心理描写。
    主人公はもちろん、正木丹波守利英まさきたんばもりとしひで酒巻靭負さかまきゆきえ、甲斐姫など、登場人物のキャラが立ち、またそれぞれ胸に秘めた思い・背景が物語を彩ります。

  3. 現代にも通ずる社会的・政治的なテーマ性:
    本作は単なる戦乱を描くことに留まらず、社会的・政治的なテーマにも焦点を当てています。
    登場人物たちの行動や選択は、統率力・リーダーシップとはなんなのかといった価値観にも関連しており、現代にも通ずるテーマ性があります。

  4. 緻密な調査に裏付けられたリアルな描写:
    著者は戦国末期の歴史について緻密な調査を行い、その背景や設定を細部にわたって描写しています。
    これにより、読みやすい文体でありながらもよりリアルに過去の歴史に思いを馳せられます。


『のぼうの城』の要約

この本の要約

豊臣秀吉による天下統一が目前に迫る戦国末期。
舞台は関東最大勢力を誇る北条氏の支城の一つ・忍城おしじょう

主人公の長田長親は忍城当主・成田氏長のいとこでありながら、
武術にも知略にも恵まれない田んぼいじりが好きな変わった男。
民の間では”のぼう様”(でくのぼうの意)の愛称で知られる人物。

豊臣勢は関東最大勢力・北条氏の小田原城を討たんとする中、
北条氏は徹底抗戦すべく忍城にも籠城に参加するよう通達。
忍城当主の氏長は北条氏に従うと見せかけ、実は裏では豊臣勢へ降伏の手紙を送っていた。

豊臣氏は出来レースであることを知りながら、武功をあげさせるべく石田三成に忍城陥落を指示。
大軍勢を引き連れて忍城へ降伏を迫る敵軍の傲慢な態度に、”のぼう様”がまさかの決断を下す。。。


『のぼうの城』の感想

いわゆる歴史で学ぶ豪胆な武将とは全く異なる”のぼう様”。
田んぼいじりを好み天真爛漫な長親の人柄に、「よくある歴史小説とは一味違う・・」と序盤から惹きつけられます。

一方で、動乱の世の真っただ中にあり圧倒的武力を誇る豊臣氏に睨まれている状況下で、武将としての気質が全く見えずヤキモキする家臣たちにも感情移入してしまい、「ここからどう展開するんや!?」と先を急がされます。

また、敵を完膚なきまでに叩きのめす豊臣秀吉の冷酷ぶり、
その豪胆さに猛烈に憧れ野心を抱きながらもがく石田三成の心情。

圧倒的力量差がありながらも、抗戦体制に入る長親の強く揺るがない決断、
その決断を支持し城を守り抜かんとする家臣たちの個性的なキャラとそれぞれの戦い、民を一番に思う”のぼう様”の心意気に心を打たれる民の行動、などそれぞれの心情がひしひしと伝わってきます。

更に、周囲が湖に囲まれ浮城の別名を持つ忍城がゆえの、双方の軍略の面白さ・壮大なスケールが、著者の繊細な情景描写によりが更にリアルに目に浮かびます。


見どころは語り切れないほど満載です!これがデビュー作とは信じがたい・・・。



『のぼうの城』を読んだ人のレビュー

レビュー


ちなみに『のぼうの城』は上下巻に分かれており、Amazonのレビューは上:4.0、下:4.3(5つ星中)です。


『のぼうの城』はどんな人におすすめ?

こんな人におすすめ

  • 歴史小説が好きな方。特に戦国時代が好きな方は楽しめること間違いなし!
  • 歴史小説が苦手な方。上記と一見矛盾しますが、本作は時代小説に特有の難しい言葉遣いは少ないため、読みやすいです。
  • 複雑な人間関係や心理描写に興味がある方、人間ドラマが好きな方。


『のぼうの城』:まとめ

情景描写、人間心理、壮大なスケール、激動の乱世、キャラの濃い登場人物、などなど見どころが豊富です。

読み終わると、「これぞ名将...!」と思わず共感してしまうでしょう。笑

帰国したら、忍城を見に行きたい!

映画化もされているので、今度映画も鑑賞してみたいと思います。



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